この日は午後からの交流試合。
8月後半だというのにまだまだ暑いですね。
サッカーをするには厳しい環境ですが、子どもたちは少しずつ環境に適応してきました。
試合の合間に自分たちで冷水をかけるようになり、仲間の子とも気づかえる場面も出てきました。
テントなどの準備片付けも少しずつですが自分たちでするようになったのは素晴らしい成長です。
この日は同じようなレベルのチームが集まりましたが、どの試合も集中して良い試合ができていました。
試合が簡単に崩れなくなってきましたね。これは地力がついてきた証拠です。
また、大きな枠ではチームとしてどういうサッカーをするか共通理解できるようになってきました。
次の段階ではそれだけではうまくいかない場面が出てきた時にどうするか。
ベースとなるプレーの上にどんな動き・プレーを足すことで解決できるか考えていきましょう。
ある意味臨機応変な対応が求められます。
良い試合をできるようになりましたが、そこからさらにもう1段階突き抜けてほしいところです。
「楽しくサッカーをしたいけど上手くなりたい、勝ちたい」
「楽しむ」「勝ちたい」と違う種類の願望を同時に得るという難題です。
子どもたちの口からも「上手くなりたい」「勝ちたい」という言葉はよく聞きます。
言うのは誰にでもできますがいざ実行することは難しく感じます。
次の段階にレベルアップし、自分たちの求めることを手に入れるためには実行力が大切だと感じます。
この日のプレーからしんどいこと、嫌なことから逃げているように観えました。
美味しいところだけは自分たちで、他の準備や片付けは他人任せ。
チームとしても良い部分だけフォーカスするのではなく、悪い部分にも目を向ける。
見て見ないふりをしない。
良い部分も悪い部分も自分のことだと思って関わる。
自分たちのことは全て自分たちで責任を持つことが大切だと話しました。
ある意味で覚悟を持って取り組まないといけません。
良いとこどりで自分の手柄、悪いところは人のせい。これでは本当の意味でサッカーを楽しむことができないし、上手くなり勝ち続けることはできません。
強いチームほど矢印が自分たちに向き良くないところを解決して自分たちを成長させます。
みんなにもそうあってほしいです。
1試目の試合後のミーティングでこのような話をしました。
なあなあで楽しくサッカーをするか、自分たちに厳しくして良いところは良いと褒め悪いところはそのままではいけないと指摘し良いところ悪いところの両方をしっかりと見つめてサッカーをするか、どちらにするか自分たちで決めるよう子どもたちに委ねました。
正直どちらが正しいかは分かりませんし、コーチが決めることはできません。
自分たちのことを自分たちで判断し決断することそのものが大切です。
自分たちの決断には責任もついてきます。
そういう重みを感じて1歩踏み出すことが子どもたちをたくましくしてくれると信じています。
ミーティング後、2試合目からはさらに良いプレーを見せてくれました。
簡単には負けないだろう。という謎の安心感を感じました。
1つ1つのプレーが中途半端ではなく最後までやり切るようになったと思います。
右サイドハーフでプレーしていた翔のところは全て相手コート内でボールを奪い突破されなかったです。
最初にしっかりと相手に寄せきることができるようになりボールを奪える回数が増えました。
抜かれたくない思いが強すぎると逆に寄せることができなくなります。
相手と少し距離を空けてリアクションで対応しようとすると、相手に良い選択肢を与えて逆に守りにくくなります。
翔のようにしっかり寄せれると相手はボールを奪われる危険性を感じるので相手は消極的なプレーを考えます。
消極的なプレーとはバックパスで下げるなど自分たちからしたら嬉しいプレーです。
もちろん相手がボールを受ける前から準備することや良いタイミングで寄せる、周りの選手も合わせてカバーするなどは必要です。
このようにプレーするためには先ほど言った「責任感」の他にも「勇気」「信頼」などの面も必要です。
この日の5年生からは内側からの強さを感じることができました。
チームとしてボールを前進させてゴールを目指すためのルート作りが上手になってきました。
まずは前、ボールのあるところからゴールを目指しながら無理を通さず、ボールを横にずらして新たなルートを探す。
この横の幅が広くなりました。いわゆるサイドチェンジと呼ばれるような大きな横の展開が出てきました。
大きな横の展開をするためには視野の広さと認識が必要で、ポジションも横に大きく配置していなければいけません。
また、時にはボールを前後に動かしてからサイドチェンジということもあります。
サイドチェンジを通してこれからプレーに大きな変化が出てきそうです。
個人では先ほどの翔の他に光太郎が大きな成長を見せてくれました。
シュートを決められるようになったこと。得点力が上がったこともそうですが、シュートが打てそうなところにちゃんといることや、試合の流れが分かるようになったことが大きな成長です。
そういう場所を見つけてちゃんとランニングしている。その結果シュートが増えて得点力が上がっています。
技術的にもしっかりとしたキック、シュートができるようにもなりました。
この暑い夏を通してとてもたくましくなりました。
変わるきっかけさえつかめば意外と成長は早いです。
11月頃には公式戦が始まります。
この夏の成長でこれから秋以降の成長がさらに楽しみになりました!
保護者の皆様、暑い中応援ありがとうございました。
夏のサッカーのサポートはとても大変だったと思います。
保護者の皆様のサポートのおかげで子どもたちも目に見えるくらい成長をしています。
これからどんどん成長が加速していくと思います。
子どもたちの成長を楽しみにしながら保護者の皆様も応援やサッカーを楽しんでください!
伊東